2009/04/07

かつて10年住み、それから8年離れていた実家に戻ってきている。町名の通り桜がきれいなところ。

勉強しに行く区の図書館は予算不足もあってかあまり本は入れ替わってないようだけれども、閲覧室と独立して設けられてる学習室は上等。
ただ、指輪物語の一部一巻版(武器になりそうな厚みと大きさ)が見あたらない。それともあれは市立図書館の所蔵だったんだろうか。あんなような分厚い本をのんびり捲れる生活になりたい。

昇天

よだかと桃色蜘蛛とコウモリの共通点は那辺にあるのか。

飛ぶ能力を奪われ、行くあてないコウモリは、勇気を振り絞って、我々のディスカバリーに登った。弱々しい小さな両目に星を瞬かせながら。発射スタート。空に向かってやさしく押さえつけられる虚弱な哺乳類の体が緊張に震える。

宇宙コウモリは最後の最後に、空を飛ぶ原始の喜びを感じた。あの耳をつんざく洞窟の喧騒を遠く離れ、底なしの黒い闇が永久に広がる世界へ―。彼は初めて、夢に向かって上りつめていく名状し難い感覚を味わった。

噴き上げる炎に焼かれたか、成層圏でカチコチに凍ったか、そんなのはもはや問題ではない。宇宙コウモリは死んだのだ。それは僕らも分かってる。しかし彼の夢は、僕らの中に永遠に生き続けるだろう。(完)

ウィ・アー・ザ・ワールドのように泣ける、宇宙コウモリ追悼ビデオ(動画) | ギズモード・ジャパン

ループ

1ヶ月になった子供を抱っこしてあやすとき、ちょっと休もうと椅子に座ると「歩け歩け」と蹴ってくる。
一つの部屋の中をぐるぐる回っていてもそれほどおもしろくないが、かといって普通の家なのでこのような設計にはなっていない。

印象に残ったのは、家のどこにも「行き止まり」がなく、必ず奥にもうひとつトビラがあって、抜けられるようになっていたことです。これは楳図先生が、考え事をしながら家の中をどこまでも歩いて行けるようにと、このような設計にしたものだそうです。

「まことちゃんハウス」内部写真・解禁!: たけくまメモ

現代版バベルの塔

もし、2,275フィートの超高層ビルを建てたかったら、その全体の大きさがゆえに、スペースシャトルに匹敵するぐらいの工学的挑戦の壁に直面することになるでしょう。その挑戦の1つはコミュニケーションです。
世界一高いビルBurj Dubaiの建設が進み、どんどん高層になっていくにつれて、建設作業員が1つの問題を発見したのです。なんと、高層部分で作業をしている建設作業員達のウォーキートーキーが使えなくなってしまったのです。

天を衝く巨塔を建てていたらコミュニケーションが断絶されてしまった!
すわ、神の怒りの鉄槌か!

理由は単純なことで、距離です。

・・・・・・。
The god in the distance.

2008/08/08 いまさらひぐらし

(ネタバレは避けてるつもりだけど、本当にまっさらから始めようと思っている人がもしいたらスルーのこと)


ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編(1) (ガンガンコミックス)


しばらく前から、ひぐらしのなく頃にをやってた。
色々ある身なのでズブズブはまってしまわないように程々に自重しつつ、漫画版(出題編)->原作サウンドノベル(アニメもチラ見)と進んだり戻ったりして来て、今日ようやく目明し編を終えて。
最近神判定の閾値が下ってるのかもしれないけど、これはヤバい。


ひぐらしがどの程度メジャーなのかが今一つかめていないのだけれど、ものすごくおおざっぱに表すとサイコサスペンスでホラーでスプラッターなミステリーとでも言うのか。元々はコミケで頒布されてたサウンドノベル型(ただし選択肢はない)のミステリーで、それがマンガなりアニメなりにメディアミックスされていったもの。アニメ的な萌え絵は偽装と思った方が良い。
ミステリー仕立てで「謎」が提示されるのだけど、出題編が3+1部あったあとにそれとははっきりと区別される回答編(これも3+1?)が別にあり、この出題->回答の間が初出で年単位で開いているようなのはなかなか類を見ないんじゃないか。


十代の少年・少女による残虐事件の時に、このひぐらしに関する何かを持っていたということが取り上げられて、「残酷な描写による影響が云々」などと言われてアニメが放映中止になったり、それに対して「どういうゲーム脳的短絡思考だよ!pgr」的な反論がネットでされていたり、というようなことだけ知っていてずっと気になっていたけど、ふとしたきっかけで手にとってしまった。実際どうなのよ、って。
(ニコニコ動画なんかではテーマ曲のYouが有名だったりするアレ)


で、実際やって(読んで)みると、確かに残虐描写もあるけれど、そういう表面上の表現の問題では済まないほどの心理的負荷をもたらすものだというのも確かだよなぁ、と実感してしまった。
マンガではこの毒はちょっと薄らいでるし、アニメだとかなり毒抜きされているように思うけど、原作は相当キツい。
確かに作中でナタ振り回すからといって自分もナタを振り回したくなる、なんてことはない。ハリポタを読んで箒に跨ってベランダから飛びだしたりするのよりもずっとありえない。
でも自我が弱まっていたら、これをきっかけに発病することは十分にありうるだろう。それぐらいにヘビー。


しかし回答編の1作目を終えてわかった。この毒は劇薬の毒だ。筆者がテーマを伝えるために丹念に織り込んだ劇薬。
作中の毒は、「いかにしてこの惨劇を回避するか」というコミットメントを誘発するために不可欠なものであり、さらに出題編と回答編を分けることで、「いかにして出題編だけで自分なりの考えをまとめあげるか」というようにさらにコミットメントが促進される。
普通にミステリーを読むとき、これほどまでに作品にコミットしたことなんてなかった。興味をひかれるままにどんどん読んで読み終えてしまうし。
今回、漫画版から手をつけて数週間が経ってるけれど、直接読み進めていない間も、ずっとこのプロセスは潜在して動いてたし、抱え続けていた。
そして楽しむために大事なのは「いかに短い時間で正解に到達できるか」ではなくて、「いかにじっくりと時間をかけてコミットするか」ということだったこともよくわかった。だから多分アニメ2クール(DVDで9枚くらい)だけで出題編->回答編へとスルスルと流れてしまったらものすごいもったいないことだと思う。はっきりとした区切り目、枠を活かすのがとても重要。


とはいえ、コミットを深めれば深めるほど、個人的な実りは多くなるのだろうけど、かといってその謎の泥沼に引きずりこまれてしまうと発病の危険も感じられるぐらいなわけで。
なので多分本当は、先達がいることが望ましいんだろう。キノコを食べるときの羊飼い役みたいな。あるいは見守り手みたいな。
決してネタバレをするのでも誘導をするのでも自分の体験を押しつけるのでもなく、安心して惑えるような環境を守る人。
自分の場合にも身近ではなかったけれども、「漫画だけじゃもったいない、絶対に原作もやるべき」と背中を押しやがった人がいたわけで、今となっては感謝せざるをえない。


ということで、要するにオススメなので面白いものを探してる人は是非やってみるべき、ということ。原作のサウンドノベルは一番最初の編がまるまる体験版でできる。
秋の夜長にとっておくのもいいかもしれないけど、じっとりとした空気でセミのなく時期にやるのも風情があるもので。涼やかにもなるし。


そして今画像を探していたら、紙のノベルスもあったのか。そういえば生協で見た気もする。でも値段が半端ない。揃えるとPC版の5倍くらいになるんじゃなかろうか。
ひぐらしのなく頃に 第1話 鬼隠し編 上 (講談社BOX)

逆輸入での発見

YouTubeに輸出されたニコニコ動画映像の逆輸入紹介。こちら側に魅力的なコンテンツがあれば、言葉の壁を向こうから越えてくることもあるんだ、ということを思い知った。
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20分と見せかけて、次々とジャンプしていって全体で2時間弱(しかもほっとくとループする)という大作。流れとしては、いろんな動画へのコメント紹介→ニコニコ動画ランキング in YouTubeYouTubeで評価が高い動画→海外で派生した動画 + おまけ、の順。
最後のおまけがひどすぎて深夜にも関わらず声をあげて笑ってしまった。不覚。


これがきっかけで未チェックだった動画をいくつも発見したけど、とくにこの二つを見過ごしていたことが悔やまれてならない。
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原曲:【鏡音リン】 ココロ 【オリジナル曲】 - ニコニコ動画


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原曲:http://www.nicovideo.jp/watch/sm2405457