安心社会と信頼社会

池田信夫blogで紹介されている『日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点』が面白そうだ。

伝統的な小集団では、「村八分」のような繰り返しゲーム型のメカニズムが機能するが、こうした安心社会では異分子を排除するので、未知の人は疑うことがデフォルト値になっている。これに対して、契約ベースの信頼社会では基本的な約束は守ることが共通のルールになっている。

したがって囚人のジレンマの実験を行なうと、「集団主義」と思われている日本人のほうが、猜疑心が強いためナッシュ均衡(互いに裏切る)に落ち込みやすく、アメリカ人のほうがパレート最善解(互いに協力する)に到達しやすい。これは著者が『信頼の構造』で初めて明らかにした実験経済学の業績だが、今の日本はムラ型から契約型への過渡期にあるという。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/559e23abed5ee4729bdd8b404f10bf11

ボストンで感じた日米の「ディスカッション」のスタイルの違いがよく説明されているように感じるし、それをゲーム理論的な実験で確認しているというのが興味深い。
経済学の関連分野らしいんだけど、Realさん知ってるかな?